2012.10.05

白樺峠鷹の渡り観察ツアーのご報告-2


2012年9月21日(金)

翌日、2日目はタカ見のための条件が良く、期待の日です。私は、昨日早く床についたこともあって、朝5時過ぎから目が覚めて、気合も十分です。ところが!!何ということか、朝から激しい雨が降っています。屋根をたたく雨音がかなり強く、障子窓を開けると屋根の端から雨水が激しく伝い落ちているのがはっきり見えました。
何てこったい!!私の中にガッカリ感が広がっていきました。
しかし、朝風呂に入ってるとき窓の外を見ながら、先生がもう靄も上がってきているし、この後は晴れるよと一言、これがまたよく当たることもよく知っているので、ちょっと安心。
 朝食を食べてから、天気の回復を見計らいながら、少しゆっくり目に出発し、最初は峠の昇り口を越えて、乗鞍高原の牧場付近で探鳥することにしました。曲がりくねった坂道を昇ってくる途中で強い日差しが道を照らすようになり、本当にすっかり雨は上がっていました。ほとんど人のいない牧場の周りにある木道を歩いてみることにしました。ちょうど戸隠の木道のような感じのところです。木道のそばに小さな白い花をつけたウメバチソウが咲いていました。すがすがしい高原を絵にしたような風景の中に、あざみ池という池がありコガモの番がひっそりと羽を休めていました。
 その後、いよいよ白樺峠へ。今日もかなりの数の車が集まっていて、山道から少し離れた池の近くに車を止めることにしました。今日はお弁当を用意して、昼食時間も目をはずすまい、片時でもチャンスを逃すまいと準備してきました。峠の上にあがってみると、昨日と違って雲が多く、チョウもあまり飛んでいないようでしたが、1~2時間すると頭の上に晴れ間が広がり、集まっている200名ほどの人々もタカ出現の期待が高まってきているようでした。ここ数日天候が良くなかったこともあって、渡ろうとしているタカ達が相当数「たまっている」のは間違いないとのことでした。
 カメラを構えて皆さんいまや遅しと待ち構えていますが・・・・・。しかし姿をみせません。待てど暮らせどタカの群れは見えてきません。旅館が用意してくれた昼食を食べながら、遠くの山を眺めていても状況は変わらわりませんでした。青空になってきたのになぜなんだ!!!と心の中で叫んでみました。
 参加者の一人が、スマートフォンで長野県だけでなく中部全域の天気を見てくれたところ、実は新潟県との県境に縦に伸びた雨雲の帯があって、どうもタカはその雨雲を越えてこちらにやって来られない状況になっているようなのです。
 昨日以上に少ないタカの数に、今日に期待していた人たちの間には明らかに落胆の気持ちが広がっているのを感じました。今日こそはと思っていた私も、根性無しのタカ達におおいにガッカリしました。しかし雨雲の帯が邪魔しているという明白な理由は、かえってスッキリと明日への希望を抱かせてくれるものでもあり、すばやく立ち直れるのもいいことです。
 来れない理由が分かった以上、峠に長くいても仕方がないので、3時を過ぎた頃、全員で旅館近くを流れる押ケ沢へ山の小鳥を探しに行くことにしました。旅館を過ぎて10分ほど下ると沢というか20メートルほどの幅の川ににかかる橋が見えてきます。その川に沿って歩き、橋の上から観察するとあちこちで白いしぶきを上げている川の流れに果敢に飛び込むカワガラスが見えました。合計4羽。橋の上から双眼鏡で覗いただけでも4羽も見えるほどこの川はカワガラスの宝庫のようでした。
 しばらく観察の後、宿へ戻ってからは昨日と同様、温泉につかり、美味い夕食をいただき、美酒に酔い、楽しい話題に大いに笑って、明日の最後のチャンスにかけることにしました。
 天気予報を調べると明日こそは、長野県も新潟県も朝から夕方までブッチぎりで晴れるとのことです。明日に全ての命運がかかっています。これまでの1泊2日ツアーでは2日目で、すなわち今日の夕方で帰っているわけで、2日のツアーであれば今年も昨年と同じ残念なパターンで終わっていたことになります。そういう意味では明日はツアーを3日間にした真価が問われるわけでもあり、敢えて芝居がかったように言えば、まさに瀬戸際です。


早朝の乗鞍高原

木道を歩く

高原の中で見たキノコ

高原の中で見たキノコ

あざみ池のコガモ

タカ見の広場

ハチ

アゲハチョウ

ベニテングダケ

タカ