月遅れの写真館(お試し読み)

2012.10.17

9月上旬は、換羽中の個体や幼鳥の姿を撮影できたので、私にとってはなかなか良い出足だったと思う。また、ここ3年ほど、ほとんど姿を見せなかったヤマガラが非常に多いことも、今年の冬に期待が持てる兆しに思えて嬉しかった。メジロやカケスも徐々に入ってきたようで、特に漂鳥は良いかもしれないと思った。今のところ。少なくとも、昨年のように、とにかく鳥がいない、と言うようなことはなさそうである。しかし、漂鳥の動きが活発でも、冬鳥がどれくらい渡来するかはまだ分からないのだけれど。
例年この時期に行く干潟では、久しぶりにオオメダイチドリの幼鳥を撮影したし、ここ数年、毎年越冬しているハジロコチドリやミヤコドリも、まだ暑い中でも楽しませてくれた。いつもの多磨霊園では、例年撮影している鳥でも今までとは違う雰囲気で撮れたものもあったし、清瀬市の公園ではツツドリの赤色型を20年ぶりくらいに撮影できた。
調布の自然の会で出かけた白樺峠では、100羽以上のサシバの群れを久しぶりに見た。遠くを飛んでいたので、良い距離での撮影はできなかったがとても楽しかった。
月末の多磨霊園でも、たった1本の実のついたミズキに、キビタキ、エゾビタキ、メジロ、コゲラがひっきりなしにやってきて採食してくれた。おかげで思う存分撮影できた。今月の写真館はまあまあのできになったのではないかと自画自賛している。
 

9月の写真

 


1.キジバト(9月3日 府中市)多磨霊園内のいつもとは違う場所を回ってみた。以前、見たことのあるエゴノキの様子を見ると、実がたわわになっていて、キジバトが3羽いた。この実が好物のヤマガラも来るかもしれない。

2.メジロ(9月4日 府中市)サクラの木に大群がいたので撮影しようとしたが、とうとう良い感じにはならなかった。そのうち、数羽がモミジの木に移動し、少しは雰囲気が良くなったので撮影を開始した。

3.コジュケイ幼鳥(9月4日 府中市) 鳥影は少なかったが、常連のコジュケイだけはよく出てきてくれた。成鳥は結構撮っているが、このくらい若いのはあまり撮っていなかった。良い並びになったところでシャッターを切った。

4.ヤマガラ(9月4日 府中市)私の家の周辺やよく出かける場所では、ここ3年ほどはヤマガラの姿はあまり見られなかった。それが、今シーズンはどうも多いような感じだ。多磨霊園でも今からもう複数は見られている。

5.アオゲラ(9月4日 府中市)
 アオゲラの写真は結構撮る機会があるが、この個体のように背や風切が換羽中なのを撮るのは初めてだった。換羽中だとあまり綺麗ではないので、はなから撮影意欲がわかないせいもあるのだが。

6.キジバト幼鳥(9月4日 府中市)アオゲラが飛び去った後、残っていたのはキジバトだけ。撮影する気もなくカメラをのぞくと、あまり撮影の機会がない若鳥だった。驚きつつ、大あわてでシャッターを切った。

7.バン幼鳥(9月4日 町田市)五区楽クラブのメンバーから、町田の公園にバンの白い個体がいて、現在撮影中との連絡があった。早速、その午後に私も出かけて撮影した。珍しい「バフ変個体」の若鳥だった。

8.オナガ幼鳥(9月5日 府中市)昨日は若鳥の撮影をよくできたので、また本日もと思って出かけてみた。いつも車を止める場所のすぐ横にある墓地にヨウシュヤマゴボウがあり、その実を胡麻塩頭の若鳥が採食していた。

9.アオゲラ♀(9月5日 府中市)先日は換羽中の雄を撮影し、今度は雌を撮影することができた。欲を言えば幼鳥も撮影したいと思う。現に先日この場所で、幼鳥を撮影した人がいるのだから、私も、撮影できる可能性はある。

10.コアジサシ(9月6日 三番瀬)シギ・チ類が採食している干潮時、コアジサシは水浴びに余念がないようで、何度も繰り返し水浴びをしていた。数は最大時は200羽くらいになった。後ろの赤い人は違法潮干狩りの人。

11.オオソリハシシギ(9月6日 三番瀬)まだ橙色の夏羽が残っている成鳥が2羽いた。主にゴカイを食べたていたが、この時は小さな貝をゲットしたようだった。このほかにも、カニやシャコなども食べる。

12.オバシギ(9月6日 三番瀬)秋の渡り期に成鳥の姿を見ることは非常に少なく、今年の干潟もやはり幼鳥ばかりだった。オバシギの食物は春の渡り期も秋もほとんどが貝で、この時もアサリを食べていた。

13.ダイゼン(9月6日 三番瀬)この時期に見られる個体はほとんどが成鳥で、しかも夏羽が残っている個体が多い。幼鳥が姿を現すのはまだ先で、早くても9月下旬から。多くは10月に入ってから見られるようになる。

14.トウネン(9月6日 三番瀬)近年の三番瀬で、渡りの季節に一番多数見られるシギ類はミユビシギである。トウネンは、昔は一番多かったが、最近では二番目くらい。それでも、結構数は多いのでじっくり観察できる。

15.ミヤコドリ(9月6日 三番瀬)あまり潮が引かない潮回りだったせいか、案外近い場所に21羽の群れが降り立った。採食するわけでもなく、ただ休息するために舞い降りたようだった。後ろをコアジサシが飛んだ。

16. ハジロコチドリ(9月6日 三番瀬) 2羽のハジロコチドリがいて、1羽は換羽の真っ最中であまり綺麗ではなかったが、この個体はまだ夏羽が多く残っていて、まあまあ綺麗だった。嘴の基部には橙色の部分も残っていた。

17. キビタキ若鳥(9月7日 府中市)キビタキの若い個体は、雌雄がはっきりしないだけでなく、成鳥雌との違いもよく分からない。しかし、この個体はありがたいことに、三列風切の羽先が淡色で、雨覆に幼羽が残っていた。

18.シジュウカラ若鳥(9月7日 府中市)成鳥の頭部は真っ黒で光沢があるが、幼鳥は淡色で、光沢はほとんどない。この個体の頭頂部分も淡色で光沢はないが、前頭部分は換羽して光沢のある成鳥の羽に変わってきている。

19.オオメダイチドリ(9月8日 三番瀬) 南西諸島では越冬する個体もいて、数はそう多くはないが毎年見られている。しかし、関東地方ではやはり珍しいので、大勢のバードウォッチャーの注目を集めていた。

20.ミユビシギ(9月8日 三番瀬)ゴカイをゲットして、水洗いした後に食べようとしたこの直後、他のミユビシギに見つかり、横取りされそうになって飛び回り、ついには落としてしまった、かわいそうなコだった。

21. ソリハシシギ(9月8日 三番瀬)忙しく動き回るので、撮影しにくい種類である。この時も好物のカニを追い求めて激しく動き回っていたが、私の前を通りかかった時に、なんとか数枚シャッターを切ったら撮れていた。

22.ツミ♀(9月9日 府中市)多磨霊園でヤマガラを撮っていると、突然、私のすぐ横にあるヤマモミジの林にツミが来てビックリ。近すぎたので、そおっと少しバックして、なんとか撮影できた。ヤマガラねらいだったかも。

23. ヤマガラ(9月10日 府中市)エゴの実をくわえてはどこかへ運んで行く。きっとどこかに貯蔵して、食物不足の冬に備えているのだろ。飛んでいった方向を探すと、サワラの樹皮の下に隠していたところだった。

24.サンコウチョウ(9月10日 府中市)ヤマガラ撮影に夢中になっていると、「サンコウチョウが出た」と、声がかかった。それではと探してみて、やっと見つけて撮影したが、絵柄的には最低の条件でガッカリだった。

25.キジバト(9月13日 府中市)連日、ヤマガラが目立つ。また、10羽以上がエゴの実をくわえてはどこかへ運んでいた。先日ツミが止まったヤマモミジに、今日はキジバトの夫婦が止まって羽づくろいしていた。

26.ツツドリ(9月18日 清瀬市)4~5日前から、ある公園近くの桜並木に赤色型のツツドリがいると教えてもらった。大変な人出だと聞いて腰は重かったが、思い切って行ってきて良かった。全く逃げない個体だった。

27.ハチクマ(9月20日 白樺峠)私はどうも「タカ渡り」についていない。雨が降ったり、晴天でも鳥が飛ばなかったりと、いつもガッカリするばかり。今年も駄目かと思ったが、遠くてもなんとか幼鳥の姿をゲットした。

28.メジロ(9月22日 白樺峠)タカ渡り観察ツアーの最終日。サシバのタカ柱を久しぶりに見て嬉しかった。それはともかく、メダラの実に何か来ないかと横目で見ていると、1回だけチャンスがあり、これも嬉しかった。

29.エゾビタキ(9月29日 府中市)ミズキの実で何か撮ろうとねばってみた。まず初めは、トチノキの実の上に止まったエゾビタキだったが、その後、ようやくこのカットを撮った。思う場所にはなかなか来てくれない。

30.キビタキ(9月29日 府中市)この日はキビタキの姿が多く見られたが、ミズキの実にやって来ても、ほとんどが瞬間的にフライキャッチするので、撮影は難しい。ここだと場所を決めて、やっと撮影したワンカットだ。

31.コゲラ(9月29日 府中市)葉陰で採取した実を、食べやすい場所に出てきて飲み込もうとしていた。実が大きいからか手間取っていて、なかなか喉に入って行かない。お陰で、落ち着いて撮影することができた。

32.サンコウチョウ(9月29日 府中市)1本のミズキに多くの鳥が集まって、メジロもやって来ていた。そのメジロとなぜか行動を共にしていた実を食べないサンコウチョウは、所在なさげに近くのモミジで採食していた。

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