樫の木とカケス
2012.10.29
シラカシの実を食べた直後に飛び立った。
2006年の秋から今年の初めにかけての冬は、都心でも見かけるほどカケスの姿がよく目に付いた。カラスの仲間にしては美しい羽を持っているので、鳴きさえしなければ結構人気の高い鳥なのだが、いかんせん警戒心が強く、そうじっくりとは見られないのが普通である。それが、全シーズンはやけに目について、遠出しないときの何日間かは、私はカケスの撮影に専念した。
コナラの木が多いところにねらいを定めて、数日通い詰め、なんとか撮影することができて大喜びした。しかし、カケスという名前の語源にもなっているカシの実を食べる様子も撮影したいと、はたと思いついた。カケスはカシの木に棲むと言われ、樫鳥とも呼ばれていたというのだから、こちらにもきっと姿を現すに違いないと、ねらいを定めてカシの木に日参した。数日間通い、ついに撮影でき、その中の一枚がこの写真。アップではないが、ナラではなくカシの木から飛び出した瞬間である。私的にはかなりご満悦なのだが、人には説明しないと分かってもらえないのがちょっと寂しい。