本格的な春の訪れ
2013.04.02
ギフチョウ(06年4月 新潟県阿賀町)
オオチョウジザクラの残り少なくなった花に、蜜を吸いにやってきた。
東京より少々遅れてやってくる越後の春。山間にひっそりと咲くオオチョウジザクラの花にギフチョウがやってきた。遠くの山からは気の早いツツドリの「ポポッ、ポポッ、ポポッ……」と鼓を叩く様な鳴き声が聞こえて、近くの崖下に残る雪の下からは、「グッ グッ グッ……」というタゴガエルの鳴き声も聞こえる。のどかな春、いかにも春という雰囲気だ。こんなふうに自然の中で春を感じる瞬間は、地方地方によっていろいろと異なるものだが、私はどこでもいつでもなんだか嬉しくなってしまう。早春にヒバリの囀りを聞いたり、路傍に咲いているオオイヌノフグリやホトケノザを見つけたときもかなり嬉しいが、本格的な春を感じるのはやはり桜と夏鳥。桜が咲いて、夏鳥の姿が見られると、私は決まって毎年ソワソワ、ワクワクしてしまう。