秋の訪れ
2013.10.22
朝鮮半島で繁殖するアカハラダカの渡りが始まるのは9月上旬から。長崎県対馬を経由して、南西諸島を南下する。対馬では、一日に数万羽ものアカハラダカが上空を通過する姿を見られる日があると言う。私はまだその時期の対馬は訪れていないが、さぞかし壮観なことだろう、是非一度見たいものだと思っている。
メジロは甘いものが大好きで、春先にはウメやサクラ、ツバキなどの花蜜を吸っているのをよく見かける。そしてこれらの、花蜜が多い花が終わる頃になると、メジロは繁殖に入る。子育てにはもっぱら昆虫類などの動物質を摂るので、甘いものは一時休止。その後、子育てが終わり、秋風が吹く頃になると、いろいろな木の実のシーズンになり、メジロも動物質から植物質のものを中心に採食するようになる。甘い木の実も好物だが、特に甘くなるカキやムクノキが熟すまでにはまだ日があるようだ。しかし良くしたもので、ちゃんと良い花が咲く。モクセイが甘い香りのする小さな花を咲かせるのだ。細い嘴と長い舌を持つメジロには、最高の秋の味覚だ。爽やかな風に乗ってある朝突然に漂ってくるモクセイの甘い香りで、私たちも秋の訪れを知る。